皆さんは紫外線対策、どのようにされていますか?どんなことに注意したら良いのでしょうか?ここでは、紫外線についての理解を深め、紫外線と上手に付き合っていく工夫についてのお話をしたいと思います。
1.紫外線は足りなすぎても問題、あびすぎても問題です
紫外線には、実は人間にとって大切な働きがあります。人間の皮膚の下には、ビタミンDの材料となる物質があり、紫外線の作用でビタミンDが合成されるのです。ビタミンDは人間にとって大切な栄養素の一つで、不足するとくる病などの病気になります。
一方で、ある一定量の紫外線が皮膚の細胞に当たると、皮膚の細胞の炎症、つまり日焼けが引き起こされます。日焼けは一時的な炎症ですが、同時に細胞のDNAを傷つけることで、将来的に皮膚がんが引き起こされる可能性が生じてきます。特に小児期は紫外線の影響を受けやすく、小児期にあびる紫外線の量が将来的な皮膚がんなどがんの発症に関係していることから、小児期に過剰な紫外線をあびさせないように予防することは非常に重要です。
2.紫外線対策の目安
WHO(世界保健機関)の指標では、紫外線予防対策が必要となるのはUV Index(紫外線の強さを表す段階)が3以上の場合です。東京のデータでは、2月から10月までは3以上の数値となっています(2023年度)。
快晴の日の紫外線の強さを100%とすると、薄曇りの日で約80%、曇りの日で約60%、雨の日でも約30%の紫外線が地表に到達しています。また、紫外線は雪に反射して体に照射されるため、スキーなどの屋外での雪上スポーツを楽しむ場合も紫外線対策が欠かせません。
なお、気象庁の紫外線のデータ集のページでは、全国のUV Indexの分布や、都市別の最大UV Indexの年間の推移グラフなどを見ることができます。
紫外線対策は日焼け止めを塗ることだけではありません
紫外線予防としては、単純に日焼け止めを塗るだけではなく、下記の(1)〜(4)もうまく組み合わせて対策を考えるとよいでしょう。
(1)紫外線の強い時間帯の外出を避ける
(2)日陰を利用する
(3)熱のこもりにくい長袖の衣服で腕や足を覆う
(4)日傘を使う、帽子をかぶる、サングラスをかける
赤ちゃんを散歩に連れていくときは、特に真夏の日差しの強い時間帯を避け、朝夕などの涼しい時間帯を選びましょう。また、強い日差しが直接赤ちゃんに当たらないように、ベビーカーのカバーをかぶせたり、薄い長袖を着せるなどの工夫をしましょう。乳児の場合は、上記の(1)〜(4)を上手に組み合わせれば、必ずしも日焼け止めを塗る必要はありません。
紫外線についての正しい知識を身につけ、紫外線とうまく付き合っていけるように工夫していきましょう。
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(小児科医 橋本真理子)
参考文献
WHO(世界保健機関). The UV Index.ログインID(ご登録メールアドレス)をお忘れの場合
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