毎日暑い日々が続いていますが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか?この時期になるとニュースで熱中症の話題がちらちらと聞こえてきますが、そもそも熱中症とはどのような状態なのでしょうか?子どもの熱中症の症状や病院を受診するべき状態、熱中症予防に関してまとめてみました。
1. 高温多湿の環境、激しい運動、長時間作業は要注意!
熱中症は簡単にいうと、発汗や体外への熱の放散がうまくできなくなり、体温が上昇してしまう状態です。
ご年配の方だけでなく、子どもも熱中症を起こしやすい傾向があります。特にこどもが熱中症を注意しなければいけない3つの理由も参考にしてください。
外気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強いといった状況では体の外への熱の放散が弱まってしまうため、熱中症が起こりやすくなります。
ご存知とは思いますが、激しい運動や長時間の炎天下での作業で水分補給をしない場合も、熱中症の危険性は高まります。
2. 熱中症の症状があればすぐに冷却と水分補給を!
熱中症を疑う症状は多彩ですが、重症度により分類されます。子どもの熱中症を疑った際は軽症の段階で気付き、素早く対応することが望まれます。
軽症の症状としては、顔色がまっしろになる、めまいや立ちくらみ、筋肉痛、手足のしびれなどがあげられます。
自宅や外出先でできる対応は、涼しいところで頭を少し低くして横にさせることです。衣服を脱がせ、首まわりや脇の下、太ももの付け根に保冷剤や氷嚢などを当ててください。飲めそうであればイオン水を飲ませてあげて、経過を見ます。
自力で水分を摂れない、頭痛、気持ち悪くなる・吐いてしまう、全身がだるくなる、などがみられる際は医療機関を受診してください。
また熱中症の重篤な症状として意識障害や痙攣などがあげられます。それらの症状が見られる場合は速やかに救急車を呼んでください。
3. 熱中症予防は「暑さを避けること」「こまめに水分補給すること」
熱中症は放置してしまうと症状はどんどん進行してしまします。逆にきちんと対策をしておけば、熱中症は発症を防ぐことができます。
予防は「暑さを避けること」「こまめに水分補給すること」が基本です。
乳幼児は、炎天下で長時間遊ぶことは避け、日陰で休憩をとるようにしましょう。また、暑さに応じて自分で衣服を調節できないので、大人が衣服にも気づかう必要があります。室内ではエアコンで室温を調節することもとても大切です。
高温多湿の時期や激しい運動で多量の発汗が予想される場合は、前もって水分補給しておきましょう。
熱中症は対応が遅れてしまうと重篤な状態に陥いってしまいます。しかし、きちんとした予防対策を心がけていただければ、過剰な心配はいりません。
もし熱中症を疑う症状が出た場合は早め早めの対応が大切です。
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(小児科医 田中俊之)
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